2026年5月25日
胃腸炎の系譜
息子の胃腸炎が我が家を越え、ついに友達へ。友情とは何か。たぶんウイルスの通り道ではない。
友達が病院に行ったらしい。
結果は感染性胃腸炎。
はい。
また出た。
もう最近、俺の周りの会話が「元気?」じゃなくて「下痢どう?」になっている。
人間関係のステージが一段階おかしい。
発端は息子である。
あの小さき漢は、噴水のように吐き、下痢をし、発熱し、それでも笑顔だった。
症状だけ並べると、
嘔吐。
下痢。
発熱。
微笑み。
最後だけ聖属性。
しかし実態は違う。
微笑みの感染源である。
そして俺も見事にやられた。
高熱。
吐き気。
下痢。
倦怠感。
なんかもう内臓が全員で退職届を出してきた感じだった。
そんな中、友達から連絡が来た。
「感染性胃腸炎だった」
お前もか。
いや、距離近かったしな。
とは思う。
思うんだけど、感染の仕方があまりにも漫画である。
ウイルスというやつは目に見えない。
目に見えないくせに強い。
昔の人が祟りとか言い出した気持ちが今ならわかる。
だって見えない何かに殴られてる。
しかも腹から。
友達は最初、嘔吐はないと言っていた。
マジでケツから滝。
この表現がもう嫌だ。
でも胃腸炎とはそういう競技?である。
俺は高熱から水様便だった。
友達は水様便から熱。
逆なのだ。
なんでそこだけルート分岐するんだ。
同じゲームのはずなのに攻略チャートが違う。
しかも後から「緑色のものを吐いた」と言い出した。
緑。
何食ったんだ。
漢方か?
と思ったら、逆流した胆汁らしい。
胆汁って緑なんだ。
またひとつ賢くなってしまった。
ひけらかしたくなる知識である。
ゾンビみたいな雰囲気もあってちょっと羨ましい。
やっぱり何事も形からだよな。
医者によると、水様便で出し切る前に腸から吸収されると熱が出ることがあるらしい。
つまり出せば出すほどいいという話でもなく、出なきゃ出ないで身体の中で菌が暴れるらしい。
もう詰みである。
攻めても守ってもゾンビ。
胃腸炎、戦術が汚い。
友達は夜中三時くらいに滝うんこを抱えて病院へ行くつもりで職場へ報告し、そのあと一瞬でも出勤した俺は偉いと言っていた。
そりゃ偉いよ。
確かに偉い。
でも出勤するな。
その状態で公共交通機関に乗るのは、もはや汚い人間爆弾である。
ケツからいつ来るかわからない滝圧に怯えながら原付に乗る友達。
想像しただけで尻が緊張する。
その後、薬を飲みなんとか回復に向かっているらしい。
俺もピルクルを飲んでいる。
もはや乳酸菌への信仰である。
神棚に置いてもいい。
神様信じてないけど。
しかし今回思った。
感染性胃腸炎は本当に怖い。
吐く。
下る。
熱が出る。
そしてなぜか人にうつる。
当たり前だが最悪である。
友情とは、楽しい時間を共有することだと思っていた。
しかし現実は違った。
ウイルスも共有していた。
いらない。
そんな絆はいらない。
息子は今日もたぶん笑っている。
父は倒れた。
友達も倒れた。
本人は笑顔。
やはり最強なのは赤子である。
あいつらは小さな身体で世界を揺らす。
そして胃腸も揺らす。
父、手洗い頑張るからな。
あと次の感染イベントは欠席にしてくれたらもっと撫でてやるからな。
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