2005年2月7日
赤いペンの企画書
2005年の2月7日は、私が初めて自分の名前で企画書を出した日である。
入社三年目で、当時の課長に「一度自分で書いてみろ」と言われて、二週間かけて作った。取引先向けの小さな販促の企画だった。提出したのは月曜日の朝で、課長は目の前で最初のページだけ読んで、そのまま机の端に置いた。
戻ってきたのは三日後。赤いペンで、ほぼ全ページに書き込みがあった。最後のページの余白に「方向性はいい」とだけ書かれていた。その一文だけで、しばらく機嫌よく仕事ができた。
企画は結局通らなかった。それでも、あの赤い書き込みの束は、しばらく机の引き出しに入れていた。何度か引っ越しをするうちに、どこかへいってしまった。
今の職場で、若い人の資料を見るとき、赤ペンを使わないようにしている。あの頃は赤い書き込みがありがたかったが、同じことをしても同じように受け取ってもらえるとは限らない。代わりに、付箋に一言だけ書いて貼るようにしている。
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