2026年5月24日
夢の右肩
宿泊先のコンロから逃げ、割り箸ハンドルで転倒し、燃えるバイクをめんだこで鎮火する夢。そして右肩だけ現実に残った。
とんでもない夢を見た。
まず宿泊先のコンロの火が消えない。
現実だったら即座に管理人に連絡する案件である。
消防でもいい。
というか消防がいい。
しかし夢の中の俺は違った。
逃げた。
判断が速い。
そして雑。
宿泊先を見捨て、俺はバイクに乗って家に帰ることにした。
この時点でかなりおかしい。
火が消えない宿泊先。
逃げる俺。
あるのは俺の愛車。
帰宅という選択。
夢の中の俺はいつも移動手段に対する信頼が厚すぎる。
そして道中。
ハンドルがすっぽ抜けた。
バイクのハンドルが。
すっぽ抜けた。
そんなことある?
普通はない。
でも夢なのである。
その時自覚はないけど。
夢というのは便利な言葉だ。
大体の違法を許してくれる。
俺は慌てた。
しかし夢の中の俺は有能だった。
割り箸をつなぎ合わせた。
そしてそれをハンドル代わりに捩じ込んだ。
天才である。
応急処置にも格というものがある。
これは応急処置ではない。
図工である。
しかもなぜか走れた。
走るな。
案の定、その割り箸ハンドルはすっぽ抜けた。
そりゃそうだ。
そして俺はすっ転んだ。
右肩を強く打った。
色々すり切った。
夢の中なのに痛かった。
かなり嫌なリアリティである。
それでも俺は立ち上がった。
そしてバイクを押してバイク屋へ向かった。
偉い。
とても偉い。
割り箸でバイクを走らせた男が、急にまともな顔でバイク屋に向かっても遅い気がする。
バイク屋では、家までは何とか行けそうな代替パーツを揃えてもらった。
よかった。
これで帰れる。
そう思って駐車場に行った。
バイクがめっちゃ燃えていた。
とりまチルっとけよって愛車が言っているようだ。
うるせえ。
もう誤魔化せないくらい熱い。
炎上である。
物理の方。
ここで俺が取った行動。
フーフーした。
息を吹きかけた。
バイクに。
燃えているバイクに。
無心で。
やはり天才である。
俺はすぐに悟った。
これは無理だと。
そこで次の手に出た。
でっかいめんだこのぬいぐるみを叩きつけた。
なぜ持っていたのか。
なぜそれで消えると思ったのか。
そもそもめんだこに何を背負わせているのか。
分からない。
ただ夢の中の俺は本気だった。
燃えるバイク。
叩きつけられるめんだこ。
必死の俺。
地獄みたいな絵面である。
そこで目が覚めた。
なんて馬鹿げた夢なんだろう。
そう思った。
思ったのだが。
現実にひとつだけ、夢の置き土産が残っていた。
右肩が異様に重い。
そして痛い。
夢の中で強打した右肩が、現実でもしっかり痛い。
怖い。
どういうこと?
俺は寝ていただけのはずだ。
バイクにも乗っていない。
割り箸も握っていない。
めんだこも叩きつけていない。
なのに右肩が痛い。
理由はまだ見つからない。
ただひとつ言えることがある。
夢の中で事故るのはやめてほしい。
現実の俺に請求が来るから。
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