2026年7月30日
秋の案件
午前の会議で、秋から始まる新しい案件の担当に決まった。取引先の物流拠点を一つにまとめる話で、関わる部署が多い。課長からは「経験がある人に任せたい」と言われた。経験というほどのものはないが、断る理由も見つからなかった。
昼休み、いつもの蕎麦屋でざるを頼んで、待っている間に手帳を開いた。九月から十二月まで、月に二度は先方の拠点に出張することになる。子どもたちの運動会の日付と、出張の候補日が一日重なっていた。
この一年ほど、今の会社でこのまま続けていくのかを考えることが増えていた。仕事に不満があるわけではない。ただ、四十を過ぎて、同じ場所で同じ種類の仕事を繰り返していると、自分がどこまで行けるのかが、なんとなく見えてしまう。
そこへ新しい案件の話が来た。ありがたいことだと思う一方で、これを引き受けたら、少なくとも年内は動けなくなるとも考えた。
蕎麦は少し伸びていた。
午後は、先方に送る資料の下書きを始めた。まだ何も決まっていないのに、スケジュール表だけは妙にきれいにできた。
帰りの電車で、転職サイトのページを一度だけ開いて、閉じた。今日はここまでにする。
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